ついに自分の発表の順番が回ってくるけど全然準備のやり方が分からない!!
そんな1年生、2年生のために何回かに分けて発表のやり方を解説していきたいと思います。
日本近世史ベースで話を進めていきますが他の時代でも論文の探し方などは共通する点があると思いますのでタイトルはあえて日本史学専攻向けとしています。
参考文献の探し方
さて第一回目は参考文献の探し方について解説していきたいと思います。
まず始めに今回の発表のテーマはなんでしょうか?
講師によって設定されるテーマは種々あり、大きいテーマや小さいテーマと様々にあると思います。
既に関連する著述を読んでいるテーマであれば楽ですがそうもいかないのが現実でしょう。ですのでまず設定されたテーマの参考文献を探しましょう。
私は参考文献を探す場合に以下のデータベースを使用しています。いずれも無料で誰でも使用することができます。使い方にちょっとコツがいるのでよく読んでください。
◎CiNii(サイニー)
リンク:CiNii Articles – 日本の論文をさがす – 国立情報学研究所
国立情報学研究所が運営しています。日本の論文を探すことができます。スマートフォンのアプリも公開されています。
【検索のコツ】
その一
テーマ:朱印状→「朱印状」「寺社領」「神領」 火事→「防火」「災害」「火消し」
のように連想ゲームで1つだけでなくいくつか関連するキーワードを入れてみましょう。
その二
歴史学以外の論文もヒットするので「近世」「江戸」のように時代を入れると検索効率が上がります。
その三
地域を限定する時の言葉に気を付ける×「大阪」→〇「大坂」 ×「新潟」→〇「越後」等。
◎Google Scholar
リンク:https://scholar.google.co.jp/
CiNiiと組み合わせて抜けの無い情報検索ができます。その論文が何を引用しているか同時に表示してくれるので芋づる式で論文を検索できます。
これらのデータベースで参考文献を探したら図書館での蔵書検索システムで検索してみましょう。もし自分の大学の図書館になかった場合でも希望を捨てないでください。
・他大学であってもその大学と同じ自治体の住民である場合地域住民枠で利用することができる場合がある。
・東京であれば自分の大学が山手線コンソーシアムに加入している場合他の加入している大学図書館を利用する。但し試験期間は利用できないので注意が必要です。
横断検索もできるようになっています。
明治大学図書館|図書館を使う|サービス案内|山手線沿線私立大学図書館コンソーシアム
・都道府県単位の大きな図書館を利用する。市町村単位ですと一般向けの本が多く史学科の人が使う専門書が無いことが多いです。これは図書館の設立された目的が少し違うからです。都道府県単位の図書館では大学図書館に匹敵する専門書の蔵書がありますので検索してみましょう。
・国立国会図書館
自費出版の本以外はすべての本があります。アクセスが容易ならば利用しない手はないです。ただコピーが少し割高で自分ではなくスタッフの人にやってもらうことになるの
で混雑していると時間がかかることがあります。
語句の調べ方
参考文献に続いて語句の調べ方についてです。語句を調べるには次の辞書やデータベースを使います。
◎国史大辞典
◎『寛政重修諸家譜』
寛政年間(1789年 – 1801年)に江戸幕府が編修した大名や旗本の家譜集。史料で出てきた人物の官位・役職・石高等調べることができる。
◎ジャパンナレッジ
自分の大学が契約している場合図書館で使用できます。学内Wi-Fiにつないだ状態なら自分のPCからアクセスできる大学もあるようです。『日本国語大辞典』『国史大辞典』等史学科がよく使用する辞書が簡単に見られます。
◎旧高旧領取調帳データベース
歴博が公開しているデータベース。国名・郡名・村名で検索すると旧領、旧高、旧村名が分かる。
まとめ
ここで紹介した辞書やデータベース、方法だけではないので分からないことがあれば先生や先輩に聞いてみましょう。
コメント